日没から明け方までに外気温と湿度がどのように変化しいつ結露するのかを調べてみました。
毎晩、屋外でレコーダーで測定していました。
そこで分かったことは結露するのは気温がぐっと下がる瞬間だということです。
空気中に溶けている水分は同じでも気温が下がると溶けていられる水分の量が減ります。
気体でいられなくなった水分は液体に戻ります。これが結露です。
ということは気温がぐっと下がるその瞬間だけミラーを過熱すればいいんだと思いました。
これなら消費電力も少なく小さな太陽電池でも大丈夫だろうと思いました。
しかし、結露してから過熱していたのでは大きな電力が必要です。
そこで、ミラーが結露する直前にヒーターで過熱する方法を考えました。
ミラーよりも先に結露しやすい構造を作りそこが結露したらヒーターに通電しようと考えました。
ミラーよりも先に結露しやすい構造とは?
空を向いている面は早く結露します。地面を向いている面は遅く結露します。
これは放射冷却により空へ遠赤外線が放射され冷えるからです。
ミラーはほぼ垂直です。
図のようなセンサーを作りました。
ここに斜め上を向いている小さな鏡を作りました。
鏡の裏にはヒーターが貼ってあります。このヒーターはカーブミラーのヒーターと連動しています。
鏡に向かって赤外線で結露の有無を測定しています。
センサーが結露した時カーブミラーは結露の直前です。
そこでヒーターに通電し過熱しカーブミラーの結露を予防します。
センサーの結露がとれたときセンサーのヒーターとカーブミラーのヒーターの両方への通電を止めます。
これでカーブミラーが結露する直前に温度を少し上げ結露を予防することに成功しました。
1晩で約1分間の通電が3~5回ありました。
とても小さな消費電力で結露を防ぐことができ電源には□20cmの太陽電池で足りました。
しかし、実用にはなりませんでした。
道路標識だと最低10年間メンテナンスフリーで動作する必要があります。
これはセンサーにゴミが詰まったり汚れたりして実用にはなりませんでした。
根本的に放射冷却を理解していないので対処療法です。
特願平6-91229
今日はここまでにしておきます。