驚異的な測定結果
先日、自社で開発した新しいパネルの音響特性を測定したところ、驚くべき結果が出ました。測定項目は「遮音性能(音響透過損失)」と「吸音性能(吸音率)」の2つです。
## 想像を絶する「遮音性能」
まず、音をどれだけ遮断できるかを示す遮音性能ですが、500Hzの周波数で35dBという高い数値を記録しました。
「35dB」と言われてもピンとこないかもしれませんが、これは外に漏れる音の大きさが、元の約1/2000になることを意味します。この性能は、なんとYAMAHAの高性能な防音個室「アビテックス」の上位機種に匹敵するレベルです。
さらに驚くべきは、1kHzの周波数帯では40dB(元の音の約1/8000)という、さらに高い遮音性能を叩き出したことです。そして、この性能を「紙」を主材料として実現しているのです。
正直なところ、開発者である私自身も「30dBは超えるだろう」と予想していましたが、35dBや40dBという数値には本当に驚きました。まだ性能向上のためのアイデアを多数準備していることを考えると、今後のポテンシャルは計り知れません。
## 吸音材なしで実現した「高い吸音率」
次に、音をどれだけ吸収できるかを示す吸音率ですが、500Hzで0.5という結果でした。これは、パネルに当たった音のエネルギーの半分が吸収されることを示します。
特筆すべきは、この性能をグラスウールのような一般的な吸音材を一切使わずに達成している点です。
## 未来を拓くユニークな特性
このパネルが持つ最もユニークな特性は、「周波数が変わっても吸音率が一定に保たれる可能性」です。
通常の吸音材は、得意な周波数と苦手な周波数があり、音のバランス(音色)が変わってしまいます。しかし、このパネルを使えば、原音の「音色」を変えることなく、全体の「音量」だけを下げられるかもしれません。
この特性は、例えば「音色はそのままに音量だけを抑えるトランペットのミュート」など、これまでになかった楽器アクセサリーに応用できる可能性を秘めています。(実際に需要があるかは、また別の話ですが。)今後の展開が非常に楽しみな技術です。


