銅と真鍮の防錆処理技術(プリント基板にも応用可能)

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 開発した防錆技術は、有機分子を介して銅部材上にナノオーダのシリカ皮膜を形成させる新技術です。この有機分子は、シリカ粒子と結合するアルコキシシラン基(-SiO3)と、銅と結合するチオール基(-SH)を両端に持つことから、シリカ粒子と銅との接着剤の役割を果たします。

 また、この技術は処理の簡便性にも優れています。通常ではナノオーダのシリカ粒子は凝集・沈殿をしますが、この有機分子と結合することにより、有機分子で全体を保護された沈殿のしにくいシリカ粒子の溶液が合成できます。その結果、この溶液に銅部材を浸すだけで、シリカ皮膜の形成が可能となりました。

 この皮膜の防錆効果については、塩水噴霧48時間で錆が発生しないことが示されました。

 浸漬するだけで、寸法精度に影響を及ぼさない程度の薄膜を金属部材の表面に形成することができ、これにより金属部材(銅、真鍮)の腐食を防止することが可能になる。
 本発明の金属表面保護剤は、下記一般式
  HS(CHSi(OCH
(式中、nは、整数を示す。)
で示されるアルコキシシラン化合物と、平均粒径が1μm以下である二酸化ケイ素とを含む。

 これは銅箔にも有効と思われるためプリント基板の腐食防止方法に利用できると思われる。

(特許登録済み)