今日は、ある特許を売った実話をお話しします。
あるアイディアを現金化しようと思いました。
そしてその分野のトップメーカーの研究所へ電話しました。
私 :「おたくの製品の改良型の案があるので試作品を作りたい。」
私 :「それで現在の製品を1個送ってほしい。」
そして現行商品が届きました。
すぐに試作品を作りました。
そして、2時間で特許出願を完了させて試作品を研究所へ持っていきました。
通常ここで試作品を見せる前に秘密保持契約を締結するのですが、物が何か分からないのに締結することはありません。
だから提案者側は少しリスクを冒してどんな発明かを説明する必要があります。
ここは通常小出しにするほうがよいと思いますが、私は今回いきなり試作品を出して動作させて見せました。
相手は、「おーっ」という驚いた表情でした。 ← ここ大事なところ。インパクト最大でプロっぽく振る舞うこと。
そして秘密保持契約が無いにもかかわらず試作品を見せるということは、こちらがよっぽどのバカか特許の内容に相当自信があるかのどちらかだと思ったのかも知れません。
そしてスムーズに秘密保持契約が締結できました。
秘密保持契約とは、内容を勝手に使わない、漏らさないという契約です。
この状態でこちらの動きをしばらく止めます。
いつまで止めるかというと、ライセンス契約か譲渡契約か共同開発契約の3つに1つを選んでくださいと言われるまでです。
提案先からの回答に関係なく他社へ提案する作業は続けます。
なぜなら1社に提案して現金化できる保証は無いからです。
そうなると最初に提案を受けた会社は自社がアクションを起こさないと秘密保持契約という足かせをつけられたまま他社にアイディを持って行かれると恐怖心が芽生えます。
ここで初めて上記の3つのうち1つを選んでくださいという動きがおきるのです。
ここまでくれば9割方勝ったと同じです。
今回提案した企業は業界トップメーカーでこの製品が量産されて仮に年商10億円になって3%のロイヤリティをもらった場合年間3千万円になります。
普通の発明家は共同開発に入っていくと思います。
業界トップメーカーと対等な契約になるのですから。
しかし私は一括譲渡の契約を選びました。
ここで利益確定するのです。
譲渡を選んだ理由
1.出願から1年半の期間は特許庁が公開しないので類似の特許があるかもしれない。
2.改良発明した時のアイディアの帰属を取り決める必要がある。
(徐々にあいてに主導権を握られる可能性がある。)
私は1.が気になりました。
これは斬新なアイディアですが発明の難易度は高くありません。
従ってサラリーマン発明家&製品開発者でも気が付くと思いました。
といことは大企業が出願している可能性が高いと感じました。
譲渡までには出願から1年経過していました。
相手は類似の特許が公開されないか待っていたのです。
そして補正を行う必要があったので1年という期間で買い取る必要がありました。
私は、残り6ヶ月の期間に類似の特許出願があるのではないかと思ったのです。
ここの判断はまさに神のみぞ知るという領域です。
しかし私は世の中を見渡しこのアイディアにたどり着くには難易度は低いと判断しました。
それで譲渡を決めたのです。
類似の特許に入るかどうか分かりませんがNECのホームページで類似の製品を発表していました。
出願日はたしか私の1ヶ月前でした。
勝った~。
仕事というのは未来予知と決断することです。