

なぜ「低い窓」と「高い窓」で、必要なガラスが違うのか?
建物の快適性を保つためには、窓ガラスの性能が非常に重要です。しかし、「どの窓にも同じ高性能ガラスを使えばよい」というわけではありません。
窓が「どこに」あるかによって、最適なガラスの種類は異なります。
低い位置の窓:地面からの「照り返し熱」を遮断する
まず、建物の外壁は「地面に近いほど温度が高い」という事実があります。
これは、地面が太陽光を吸収し、その熱を赤外線として周囲に放射(照り返し・輻射熱)するためです。
(ブログ掲載の証拠写真より)
- 建物の低い位置の外壁温度:28.5℃
- 建物の高い位置の外壁温度:25.4℃
(写真が暗いとのことですが、データを見ると)低い位置の壁が、高い位置より3.1℃も高温になっていることがわかります。
このため、低い位置の窓は、この地面からの強い熱(赤外線)にさらされます。 したがって、ここには「熱線反射ガラス(※)」を使い、外からの熱が室内に入ってくるのを防ぐのが最も効果的です。
(※ 熱線反射ガラス:太陽光に含まれる赤外線(熱)を反射するガラス)
高い位置の窓:室内の「熱」を空へ逃がす
一方、高い位置の窓はどうでしょうか。 この窓は、地面からの照り返しの影響は受けません。その代わり、窓は「青空」に面しています。
ここで重要なのは、「青空(宇宙)」は熱源ではなく、むしろ熱を吸収してくれる「冷たい場所」だということです。
そこで、高い位置の窓には、あえて「(室内の)赤外線をよく透過するガラス」を使います。
一見、「熱を透過したら暑くなるのでは?」と思うかもしれません。日光が外から入射すれば熱くなります。 しかしこれは逆で、室内の熱(人が発する熱や、一度室内に入った熱)が、赤外線としてガラスを通り抜け、冷たい空(宇宙)へ逃げていくことを狙っています。
これを「放射冷却」と呼びます。 この仕組みを利用することで、室内の熱を外に排出し、室温を下げる(あるいは上昇を抑える)効果が期待できるのです。
まとめ
- 低い窓:地面からの「熱」を反射(ブロック)するガラスが必要。
- 高い窓:室内の「熱」を空へ透過(排出)させるガラスが有効な場合がある。
このように、窓が面している環境(熱い地面か、冷たい空か)によって、ガラスの役割は変わってくるのです。
特許第6209806号
