遮音・吸音パネルの設計と音響性能目標
1.パネルの構造と設計原理
開発中の壁面パネルは、音響透過損失で30dB以上の性能を実現するために、以下の多層構造を採用しています。
- 二重構造: 青い板と赤い板という異なる特性を持つ2種類の板材を組み合わせて二重構造とします。異なる材料を用いることで、一方の材料が特定の周波数を通しやすくする(コインシデンス効果など)のを防ぎ、広範囲の周波数で高い遮音性を確保します。
- 中間層の吸音材: 二重板の間に吸音材を挟み込みます。これにより、板を透過した音のエネルギーを内部で効果的に熱変換・吸収し、遮音性能をさらに向上させます。
- 室内側の吸音処理: 室内側にも、音を吸い込みすぎない程度に吸音材を貼り付けます。これは、室内の響き(残響)を調整し、使用環境の音響特性を最適化することを目的としています。
2.遮音性能の目標とコスト目標
遮音性能(音響透過損失 TL)
理論上、2種類の板材を単純に組み合わせた場合、500Hzにおける音響透過損失は50dBとなります。さらに吸音材を挟むことで、この遮音性能はさらに向上します。
特に難しいとされる低音域(125Hz)では、遮音性能は現状27dBですが、中間層の吸音材の効果を加えることで、製品化の目標である30dB以上を達成できる見込みです。
費用目標
性能の確保と並行して、製品化におけるフレームの安価な設計を追求しています。
材料費は4万円以下に抑えることを目指しており、現在の設計でこのコスト目標は達成可能であると確信しています。
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