台湾市場への挑戦権を獲得。特許出願完了とこれからの戦略

ようやく、台湾への特許出願手続きが完了しました。 手元に届いた報告書を見て、ひとまず安堵しています。

今年は、いよいよ台湾での製品販売を本格化させる年です。 海外でビジネスを行う上で、特許は自社技術を守るための「命綱」です。この出願完了により、現地での独占的な販売権を確保し、模倣品などのリスクを恐れずに攻めの営業を展開できる土台が整いました。

正直なところ、海外特許の取得には、国内とは比較にならないほどの費用と労力がかかります。 しかし、これは未来の利益を守るための必要な「投資」です。 コストをかけた分、しっかりと現地で回収し、事業を飛躍させていきたいと思います。

外国(海外)への特許出願の一般的な方法

日本の特許庁に出願しただけでは、海外で権利を守ることはできません(属地主義といいます)。海外で権利を取るには、主に以下の2つのルートがあります。

※今回の台湾は特殊な事情があるため、最後に補足します。

1. パリルート(直接出願)

「アメリカだけ」「中国だけ」など、権利を取りたい国が少ない(1〜2カ国)場合に使われる方法です。

  • 仕組み: 日本での出願から1年以内(優先権期間)に、権利を取りたい国の特許庁へ、その国の言語や法律に合わせて直接出願します。

  • メリット: 手続きがシンプルで、国が少なければ費用を抑えられます。

  • デメリット: 国ごとに代理人を雇い、翻訳を用意する必要があるため、国数が増えると管理が大変で費用も高額になります。

2. PCTルート(国際出願)

「アメリカ、欧州、中国、東南アジア…」など、3カ国以上の複数の国で権利を取りたい場合によく使われる方法です。

  • 仕組み: 日本の特許庁を通じて「PCT出願」という手続きを1回行うことで、「世界の加盟国すべてに出願した」のと同じような仮の効果(束)を得られます。その後、30ヶ月以内(原則)に、実際に権利化したい国を選んで手続き(国内移行)を進めます。

  • メリット: 最初に翻訳文(英語など)をすべて用意する必要がなく、実際にどの国で権利を取るか決めるまでに時間的な猶予(約2年半)が生まれます。市場の動向を見てから国を選べるのが最大の利点です。

  • デメリット: 最初のPCT出願費用に加え、最終的には各国ごとの費用もかかるため、総額は高くなる傾向があります。

【重要】台湾への出願について

今回ご提示いただいた写真にある「台湾」は、実はPCT(特許協力条約)に加盟していません。 そのため、上記2のPCTルートを使うことができません。

台湾で権利を取りたい場合は、必然的に「1. パリルート(直接出願)」と同様に、日本の出願から1年以内に台湾の特許庁(智慧財産局)へ直接出願する必要があります。 ご提示の写真が「台湾特許出願」単独の報告書となっているのは、こうした背景があるためです。