時間と情熱を注いで生み出した、我が子のような製品。 そんな大切な商品を前に、「ぜひ、弊社で“独占販売”させてくれませんか?」と持ちかけられたら、販路に悩む小規模メーカーとしては「天の助け」のように感じるかもしれません。
しかし、私はこの言葉を簡単には信じません。 なぜなら、安易な独占契約は、商品の未来を永遠に奪う「死の契約」になり得るからです。今回は、私自身が心に決めている「自社製品を守るための鉄則」についてお話しします。
■ 「リスクゼロ」で権利だけ欲しがる人たち これまで何度も「独占販売」のオファーをいただきましたが、多くの提案者にはある共通点がありました。それは、「権利を得るための対価を一切払う気がない」ということです。
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契約金(一時金)はゼロ。
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最低販売数量(ミニマムギャランティ)の約束もなし。
彼らの本音はこうです。 「とりあえず権利だけ押さえておこう。勝手に売れれば儲けものだし、売れなくても自社の懐は痛まないから」 つまり、本気で売る気など最初からないのです。
■ 契約した瞬間に商品は「塩漬け」になる もし、この条件で契約してしまうとどうなるか。商品は「塩漬け」にされます。
こちらは契約に縛られて他へ売ることができず、相手はリスクがないので本気で営業しない。結果、商品は誰の目にも触れず、倉庫の隅で静かに死んでいくことになります。「売れるはずのものが、誰にも売れない」という最悪の状況です。
■ 当社が守っている「唯一の鉄則」 だからこそ、私はある鉄則を設けています。 「独占権が欲しいなら、その覚悟を『金額』で示してください」
具体的には、契約金やミニマムギャランティの提示を必須条件としています。これは単にお金が欲しいからではありません。
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本気度の証明: 先にお金を払える相手は、本気で商品を売る覚悟があります。
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売らざるを得ない状況: 身銭を切れば、相手も回収しようと必死に営業します。
私たちのアイデアは、タダで譲り渡していいものではありません。 「甘い話」が来た時こそ、相手にその覚悟があるのか、冷静に見極めるようにしています。
知的財産の相談は、独立行政法人工業所有権情報・研修館にされることをお勧めします。
