今から十数年前、私は生まれて初めて一冊の本を書き上げました。 驚くべきことに、その処女作は発売直後にAmazonランキングを駆け上がり、最高で総合47位を記録しました。 当時の私は「何かの間違いでは?」と画面を二度見したほどです。
しかし、この話には一つ、奇妙な点があります。 実は、私自身は本をほとんど読まない人間なのです。
■ 10年に1冊しか読まない「インプット嫌い」 私の読書量は、平均して10年に1~2冊程度。人から勧められた本でも、面白くなければ10ページで挫折してしまいます。 他人の思考をインプットするよりも、自分で何かを創り出したり、未知のことに挑戦したりする「体験(アウトプット)」の方に、遥かに強く惹かれる性分だからです。
では、そんな私がなぜ本を書けたのか? 答えはシンプルです。私の中に、どうしても「語るべき物語」があったからです。
■ 「体験」という最強のコンテンツ その本に書いたのは、ノウハウでも成功法則でもありません。 私が開発し、育て、最後は特許譲渡によって旅立たせた「デジカメスタジオ」という一つの商品の、誕生から終焉までの実話でした。
-
アイデアの着想
-
試行錯誤の開発
-
市場での評価
-
特許の譲渡(ビジネスの完了)
この「始まりから終わりまで」のサイクルが、あまりにも鮮やかで、面白かった。「この物語を誰かに伝えたい!」という熱量だけで、私は文章術も知らぬままキーボードを叩き続けました。
■ 結論:言葉の源泉は「読書量」ではなく「熱量」 この経験で気づきました。人の心を動かすのは、豊富な読書量ではなく、「強烈な体験」と「伝えたい熱意」です。 もし、あなたの心に「語らずにはいられない体験」があるなら、それはきっと一冊の本になるほどの価値を秘めています。

