10年前のアイデアに技術が追いついた!銃弾ICタグ構想と、石川県発の極小チップ

昔々、アメリカの特許関連企業(いわゆるパテントトロール)にアイデアを提案したことがあります。実は今もその契約は続いており、日本で採用されなかったアイデアはアメリカの市場へ流すという独自のルートを持っています。

今回は、そのルートに向けて10年前に考えた「あるアイデア」のお話です。

■ 銃規制の折衷案:弾丸に「銃の固有番号」を書き込む 当時、私がアメリカの銃規制問題の折衷案として考案したのが、「弾丸の後ろにICタグを取り付け、発射時に銃身を通過する際、その銃の固有番号を弾丸に書き込む」というシステムです。

これが実現すれば、発射された弾丸から「どの銃で撃たれたか」が特定できるようになります。

「秒速350mで飛ぶ弾丸にデータを書き込むなんて可能なのか?」と思われるかもしれません。しかし、ここが物理の盲点です。引き金を引いた瞬間、弾丸の初速はゼロです。銃身の中で加速しているわずかな間には「案外、データを書き込むだけの時間がある」というのが私の着眼点でした。

■ 地元・石川県の企業が開発した「完璧な素子」 10年前、このアイデアに使えそうな部品といえば、日立の「μ(ミュー)チップ」くらいしかありませんでした。

しかし最近になって、地元である石川県の企業がさらに高性能な超小型チップを開発したというニュースが飛び込んできました。この新しいチップは、「質量が極めて小さく(軽く)」「金属に貼付しても読み書きが可能」だというのです。

まさに、私のアイデアにピッタリの完璧な素子です! 弾丸の発射時のような「とてつもなく大きな加速度」がかかる過酷な環境では、部品の質量が少しでも重いと衝撃に耐えきれず壊れてしまいます。だからこそ「極限までの軽さ」が必須条件だったのです。10年の時を経て、ようやく私のアイデアに使える技術(素子)が世に出てきました。

■ アメリカ大使館での笑い話 ちなみに10年前、このアイデアを思いついた私は、意気揚々とアメリカ大使館の商務部へ提案に持ち込んだことがあります。

すると、担当者から「私たちは(アメリカの技術を日本に)売るために来ているのであって、買うためにいるのではありません!」と怒られてしまいました。

……言われてみれば、当たり前ですよね(笑)。 技術が追いついてきた今、このアイデアが再び海を渡る日が来るかもしれません。