そうだ、農機具を静かにしよう。
ということで以前特許出願したエンジンカバー、ヘッドカバー、エンジンルームの特許をある農機具メーカーへ提案しました。
このアイディアの最大の特徴は濡れても音を吸う事です。
普通の吸音材は水に濡れると音を吸わなくなります。
これは固い物で蜂の巣状の形状を作って吸音します。
穴に水がたまらないように少し下を向けておけば吸音性能は落ちる事がありません。
ではなぜ音を吸うのか説明致します。
音は空気の粗密波です。
密度の高いところと薄いところが交互に伝わってきます。
まず、密度の高い波が穴にぶつかります。
穴の中の気圧が高くなります。
空気なので弾力があり受け止めます。
次に密度の低いところがぶつかります。
さきほど押し込められた空気が解放されます。
穴に中の空気は押されたり引かれたりしているだけです。
でも外部には音を反射しないように見えるのです。
私は、これで音を吸っていることにしています。
用途は、エンジンのヘッドカバーです。
内側はロッカーアームなどが複雑にありますが、それをよける形で蜂の巣状の穴を形成しておくとよいのです。
オイルで濡れますが、下向きの穴なので吸音には影響しません。
高温、高圧、オイルや水がある場所でも吸音できる最大のメリットはヘッドカバーだと思います。
これだとディーゼルエンジンの音もエンジン内で打ち消してしまえると思います。
次に、エンジンのカバーです。
自動車はポリイミドなどの高温に耐える樹脂のカバーを付けていますが吸音性能はありません。
単なる板です。
この裏側を蜂の巣状に成型すれば部品点数を増やさずに吸音する事ができます。
問題は、型抜きできるかどうかです。
レクサスはエンジンカバーの裏面にある発泡樹脂をエンジンのヘッドカバーに接触させて吸音しています。
これでは放熱できません。(笑)
設計やテストは十分行っているので私が心配する事ではありません。
次は、エンジンルームです。
ボンネットなどの筐体の裏面に蜂の巣状の形状を形成する事でエンジンルーム内で反響した音を吸ってしまいます。
開口部があっても内部の反響が減れば漏れてくる音も激減します。
実験すれば分かりますが、これはほんとうに驚きます。
ということで水に濡れても音を吸う方法のご紹介でした。