音響透過損失を測定しました。

開発中の「防音個室」用、新型防音壁の性能を測定しました

 

現在、一畳タイプの防音個室の製作を計画しています。 今回は、その心臓部となる壁面の「音響透過損失」(どれだけ音を遮断できるか)を測定しましたので、そのご報告です。

 

コンセプト:重さでなく「空気のバネ」で音を制する

 

この防音壁の最大の特徴は、一般的な防音の常識とは異なるアプローチを採用している点です。

  • 一般的な防音: 石膏ボードなどの「重い」材料を使い、その「質量」で音を無理やり遮断します(これを「質量則」と言います)。
  • 今回の防音壁: あえて石膏ボードなどの重い材料を一切使わず、すべて軽い材料(主に紙と薄ベニヤ板)で構成しています。

「そんな軽いもので防音できるのか?」と思われるかもしれません。 これは、壁の内部に意図的に「空気のバネ」のような層を作り、音のエネルギーを力で跳ね返すのではなく、柔らかく吸収・減衰させることを狙った設計です。

(物理の偉い学者さんや、YAMAHAさんのような専門メーカーの皆様、常識外れな材料と方法でごめんなさい…!)

 

測定内容:厚さの異なる2種類を比較

 

この「空気のバネ」方式の壁を2種類試作し、性能を比較測定しました。

  • 試料A(グラフの赤線):厚さ 60mm
  • 試料B(グラフの青線):厚さ 50mm

驚くことに、厚さが10mm違うにもかかわらず、両者の重さはほとんど変わりません。これも、軽い材料で「層」を作ることのメリットです。

 

測定結果と今後の展望

 

測定結果(特に60mm厚の試料A)から、この設計の有効性が確認できました。 今後はこの壁面設計をベースとして、目標である「一畳タイプの防音個室」の製作を本格的に進めていきます。


石川県工業試験場