今日は、発電発光型のメタルジグ(深海で使う疑似餌)です。
ジグとは深さ数十メートルで使う疑似餌です。
ヒラマサ、サワラなどある程度深いところを泳ぐ大型の魚を釣るための疑似餌です。
水深が深くなると太陽の光が届きにくくなり暗いのです。
よって従来から蓄光材を塗ったジグを使っています。
しかし時間が経つと蛍光灯が点いた箱の中に入れて蓄光しないといけません。
そこで考えました。
糸を引く力で発電してLEDを発光させれば動きに合わせて光るので生き物に見えるのではないかと思いました。
そして、当時圧電セラミックスで自転車用尾灯を試作していたので、それを使い力がかかると歪んで発電しLEDを光らせることにしました。
これは、市販されているメタルジグをシリコンゴムで型取りしてウレタン樹脂で注型して作った発電発光型のメタルジグです。
我ながら簡単にできたので驚きました。
重量があればこのまま市販できるのではないかと思いました。
製品に近くなるように亜鉛で作ってみました。
内部に圧電セラミックスと整流回路とLEDを組み込みました。
今回LEDは日亜化学の物を使いました。
白色や青色LEDはいろんなメーカーが製造していますが日亜価格の物は少ない電流で明るく光ります。
価格も安くなってきていたので実用になると思いました。
新聞発表したことなのでここにも書きますが、太平洋セメントという年商1兆円もある会社からメールが来ました。
圧電セラミックスを作っている会社です。
素材メーカーが最終製品の特許を持ちたいということです。
埼玉県の山奥にある圧電セラミックスの工場も見学に行きました。
当時、圧電スピーカーなども作っていました。
そこで感じたのは、圧電スピーカーというのは音質が悪いのではなく筐体が小さいから音質が悪く感じるのだと思いました。
この思いが後にiPhone用ホーンスピーカーを作るきっかけになります。
ということで太平洋セメントの事業探索チームとの話で特許を半分売ることになりました。
そして受け取った代金で外国への特許出願を共同で行いました。
現在、この特許を使ってくれる釣り具メーカーを探しています。