初対面の弁理士が驚いた過去の発明。そして気づいた「ゼロから生み出す」本当の代償

先日、専門家の助言を仰ぐため、弁理士や税理士の先生方が集まる「ワンストップサービス」の相談会へ足を運びました。私の担当になったのは、知財を専門とするベテランの弁理士先生でした。

緊張しながら名刺を差し出した瞬間、先生の表情がパッと変わりました。

「ああ、これは……。もしかして、あの『デジカメスタジオ』を発明された砂原さんご本人ですか?」

予期せぬ言葉に、私は一瞬固まってしまいました。というのも、それは十数年も前に世に出した製品だったからです。それが初対面の専門家の口から自然に出てくるとは、夢にも思っていませんでした。

「あの製品は当時、本当に良いところに目を付けた素晴らしい発明だと思って、ずっと注目していたんですよ」

知財のプロフェッショナルに、そこまで認知され評価されていたとは。驚きと共に、心の底から静かな喜びがこみ上げてきました。

■ 思考とは、心身のエネルギーを激しく燃やす行為 相談がひと段落し、雑談に移った時のことです。先生がふと、同志に語りかけるようなトーンでこうおっしゃいました。

「砂原さん、ゼロから新しいものを考えるって、本当に体力と気力が必要な仕事ですよね」

その一言は、私にとって非常に衝撃的でした。 昔から私は、周囲の人に「どうしていつもそんなに元気なんですか?」と不思議がられてきました。その理由が、先生の言葉でようやく線として繋がったのです。

発明や事業創造は、一見すると静かなデスクワークです。しかし実際は、アスリートのように心身のエネルギーを激しく燃焼させ続ける営みなのです。「私がいつも元気に見えるのは、その膨大なエネルギー消費に耐えうるだけのスタミナを無意識に維持していたからなのか」と、深く納得しました。

■ 発明家としての私を支えていた「鈍感力」 では、なぜ私自身は今までその激しい消耗に気づかなかったのでしょうか。 それはおそらく、私が良くも悪くも「ガッカリしない性格(鈍感力)」を持っていたからだと思います。

  • 失敗しても過度に落ち込まない

  • 拒絶されても一喜一憂しない

発明の過程には失敗が付き物ですが、私はこの「鈍感力」によって精神的な摩耗を最小限に抑えてきました。無意識のうちに自分を守り、浮いたエネルギーを常に「次のアイデア」へと向けることができていたのでしょう。

ベテラン弁理士先生との偶然の会話は、自分が持っていた発明家としての「隠れた資質」を教えてくれる、とても貴重な時間となりました。

💡 知財に関するご相談のおすすめ もし皆様の中で、知的財産に関する悩みやアイデアがある方は、独立行政法人「工業所有権情報・研修館(INPIT)」へ相談されることを強くお勧めします。専門家の視点は、思わぬ気づきを与えてくれますよ。