創造_実行する力

帝国ニュース北陸版(出典:帝国データバンク発行 帝国ニュース北陸版)

 ここまで大まかに商品を考え作って売る方法を説明してきました。次は、各工程を実行する力について説明したいと思います。いろいろな工程で壁にぶつかったり問題が起きたりします。しかし、売上にたどり着くためには作業を行わなければなりません。ここまで書いてきたことは手順です。コンピュータでいうところのソフトウェアです。次にそのソフトウェアを動かすCPUなどのハードウェアの話になります。いくら良いソフトウェアでも動作させるためのハードウェアが貧弱では計算結果が出ません。そこでCPUである人間の実行力を高める方法を説明してみたいと思います。各工程は、それぞれの企業、分野、商品などによって違いがあります。売上に到達しようと作業を行っていくと未知の問題が大量に発生します。それをその場で考え解決して前進していかなければなりません。そこで各工程で今達成しなければならない事を目標とします。実行する責任者は社長であったり社員であったり色々だと思います。しかし責任者となったからには売上に到達しなければなりません。期限が来たとき「あのときこうしておけば良かった」と後悔することがあると思います。ということは、「いまこうする」という方法があるのです。期限を決めると最善の方法はひとつになります。一つしかないものはひらめきや思いつきではなく計算できるはずです。私は、仕事の本質は未来予知だと思っています。未来を予知して判断し決断する事が経営者の仕事だと思います。作業をして仕事をした気分になっていてはいけません。
 話を戻します。今の目標を達成することを優先順位1にして最善の方法を計算し実行するのです。単に優先順位1と書きましたが、本当に何よりも優先すると失うものも大きいので覚悟して臨んでください。計算というのはシミュレーションです。たくさんの方法が考えられると思いますが、それらをすべてシミュレーションしてみるのです。そして一番良いと思われる方法を選べば良いのです。仮にその方法が2番目に良い方法だったとしても期限に間に合うかもしれません。自分を信じ欲と恐怖を頭から外し冷徹にシミュレーションするのです。そして実行し結果を受け入れるのです。昔、新しい商品のアイディアが出ないときがありました。仕事として商品開発を行っているので出ないではすまされません。そこで日中断食をすることにしました。家を出てから会社へ行き家に帰るまで水しか飲まない生活をヒット作が出るまで続けました。絶対負けたくなかったので、もし負けたときは意識がなくなっていてほしいと思ったのです。なぜかアイディアが出るまでに1年もかかりましたが一瞬で投資額が30倍になりました。しかし、病院へ行くことになり手術を受けました。私の場合、優先順位を1にするとはこんな感じです。その後は、毎朝日の出くらいからロードバイクで25km走って体を鍛えています。走りながらシミュレーションするのです。もう15年以上になりました。

計画(ソフトウェア)だけでは勝てない。事業を成功に導く「実行力(ハードウェア)」の鍛え方

はじめに:優れた計画を動かす「人間」という名のCPU

これまで、商品を企画し、作り、売るための一連の手順についてお話ししてきました。しかし、それらはあくまで手順、いわばコンピュータにおける「ソフトウェア」に過ぎません。どれほど優れたソフトウェアも、それを動かすCPUやメモリといった「ハードウェア」が貧弱では、望む結果を導き出すことはできません。

ビジネスにおけるハードウェアとは、すなわち「人間の実行力」です。

計画を遂行する過程では、必ず未知の問題や予期せぬ壁が次々と現れます。それらを乗り越え、確実に「売上」というゴールに辿り着くためには、この実行力、つまり人間というCPUの性能を高めることが不可欠です。今回は、そのための具体的な方法についてお話しします。

 

仕事の本質は「作業」ではなく「未来予知」である

 

各工程の責任者が社長であれ社員であれ、課せられた責任はただ一つ、「売上目標を達成すること」です。しかし、多くの人は目前のタスクをこなす「作業」に追われ、仕事をした気になってしまいがちです。

ここで、仕事の本質を問い直さなければなりません。

期限が来たとき、「あの時こうしておけば…」と後悔した経験は誰にでもあるはずです。それは、その時点において「最善の一手」が存在したことの何よりの証明です。であるならば、「いま、こうすべき」という唯一の正解が、この瞬間にも必ずあるはずなのです。

この唯一解は、ひらめきや思いつきといった曖昧なものではなく、論理的な計算によって導き出せると私は考えています。未来を正確に予測し、その予測に基づいて「いま、こうすべき」という最善の一手を判断し、決断する。これこそが経営や仕事の本質であり、私はこれを「未来予知」と呼んでいます。

 

実行力を高める思考法:「計算」としてのシミュレーション

 

では、どうすればその「最善の一手」を導き出せるのか。その方法が「計算」、すなわち頭の中でのシミュレーションです。

  1. 目標を「優先順位1位」に設定する まず、今達成すべき目標を、他のすべてを犠牲にしても成し遂げるべき「絶対的な最優先事項」と定めます。これは、時に大きなものを失う覚悟を伴う、極めて重要な決断です。

  2. 欲と恐怖を排し、冷徹にシミュレーションする 次に、考えうる限りの選択肢を、頭の中で一つずつ実行してみます。その際、自分の願望(欲)や不安(恐怖)といった感情を完全に排除し、ただ冷徹に、それぞれの選択肢がもたらす結果をシミュレーションするのです。

  3. 最善手を選択し、結果をすべて受け入れる シミュレーションの結果、最も成功確率が高いと判断した方法を選択し、実行します。たとえそれが2番手、3番手の選択肢だったとしても、自分自身の計算を信じ、その結果をすべて受け入れるのです。

 

覚悟の証明:私がいかにして「実行力」を鍛えてきたか

 

昔、どうしても新しい商品のアイデアが浮かばず、仕事として追い詰められた時期がありました。私は「ヒット作が出るまで」と期限を決め、日中、水しか口にしない断食を始めました。「絶対に負けたくない、もし負けるなら意識がない方がいい」というほどの覚悟でした。

結果、アイデアが出るまでに1年を要しましたが、その商品は投資額の30倍もの利益を生み出しました。しかし、その代償として私の身体は限界を迎え、手術を受けることになりました。私にとって、「優先順位を1位にする」とは、こういうことでした。

さすがにこの方法は長くは続けられません。現在は、より持続可能な方法として、毎朝日の出とともにロードバイクで25km走ることを日課としています。ペダルを漕ぎながら頭をクリアにし、その日の課題についてシミュレーションを繰り返すのです。この習慣は、もう15年以上続いています。

優れた計画(ソフトウェア)は重要です。しかし、それを確実に実行し、予期せぬ困難を乗り越える強靭な実行力(ハードウェア)なくして、事業の成功はあり得ないのです。