【音響透過損失の測定風景】 吸音材に頼らない防音パネル、性能とコストの最適点を探る最終測定

防音

 

【開発最終章】吸音材に頼らない防音パネル、性能とコストの最適点を探る最終測定

 

長年にわたり研究を続けてきた、「吸音材を使わずに音を遮断する」という、新しいコンセプトの防音パネル。その開発が、いよいよ最終段階を迎えました。

 

私たちの哲学:常識を疑うことから生まれた技術

 

従来の防音・吸音パネルの多くは、グラスウールなどの「吸音材」を用いて音のエネルギーを吸収することで効果を得ています。しかし、私たちはその常識を疑い、全く異なる原理で音を遮断する技術を追求してきました。

その研究の集大成として、今回、製品化に向けた最後の性能測定「音響透過損失測定」を行います。

 

目的は「最高性能」ではなく「最適バランス」

 

今回の測定の目的は、単に遮音性能の限界を追求することではありません。技術的に性能を上げるだけなら、さらに上のレベルを目指すことも可能です。しかし、それでは必然的に「重量」「費用」も増加し、お客様にとって現実的ではない製品になってしまいます。

私たちが目指すのは、「遮音性能」「重量」「価格」という3つの要素が、最も高い次元でバランスする一点を見つけ出すこと。つまり、お客様が本当に求める「ちょうど良い」製品仕様を決定するための、最も重要な測定なのです。

 

明確な性能目標

 

その「ちょうど良い」性能のベンチマークとして、私たちは「大手楽器メーカーが販売している個人向け防音個室」と同等の遮音性能を目標に設定しました。

これは、多くのユーザーが求めるであろう「日常の騒音を気にせず、音楽や趣味に没頭できるレベル」を十分に満たす性能です。これ以上の過剰な性能を追求して価格を吊り上げるのではなく、確かな効果を、適正な価格で提供することこそが、この製品の使命だと考えています。

 

測定の様子を少しだけ

 

この最終測定の様子を、短い動画にまとめました。専門的な内容で、うまく説明しきれていない部分もありますが、製品化の裏側にある、こうした地道な検証の雰囲気だけでも感じていただけますと幸いです。

▼音響透過損失測定の様子 https://youtu.be/JNRhe-VjEsc

この測定結果をもって、最終的な製品仕様を確定し、いよいよ生産のステップへと進んでまいります。どうぞご期待ください。