株式会社ソロモン 代表取締役 砂原康治 (商品開発アドバイザー)
ここまで商品を考えて、つくって、売る手順と実行する力について説明してきました。次に具体的に商品を販売する方法を説明したいと思います。このコラムでは自社ブランドの自社製品を持ったメーカーのお話しをしています。
・ネット販売の種類
自社ドメインのサイト、モール(amazonやYahooショッピングなど)、オークション(ヤフオクやメルカリなど)、アフィリエイトなどが考えられます。昔、プロジェクタースクリーンメーカーを運営していたことがあります。売れるかどうかの確認はヤフオクで行いその後、自社ドメインのサイトを立ち上げました。最初は集客力がないためYahooショッピングなども使いながら徐々に自社サイトの集客力が付くのを待ちました。そしてネットの販路が5つになり管理が大変になり販売手数料も多くなっていきました。そこで思い切って自社サイトのみにしてみました。売上は少し落ちましたが利益は変わりませんでした。このように、短時間で立ち上げ、軌道に乗ると販路を切り替えながら効率の良い体制に落ち着かせるとよいと思います。理想は、自社ドメインのサイトのみで目標の利益が出る事です。
・クラウドファンディング
2021年前半、私のクラウドファンディングの成績は4戦4勝でした。合計5戦5勝になりました。クラウドファンディングと聞くと寄付を募ると思われている方もいると思いますが、世間はそんなに甘くはありません。リターンに見合う金額かどうか厳しくチェックされます。どんなに崇高なプロジェクトでも善意は期待できません。あくまで支払った金額に見合うリターンかどうかを判断されます。予約販売と思えば良いのです。
・小売店への卸し
小売店への卸は必要か。2021年クラウドファンディングで販売件数が上位に入り、トップ60社を集めた展示会に出展することができました。その後、全国チェーンの小売店で店頭販売することになりました。クラウドファンディング会社の手数料は通常2割です。これまでのネットでの直販ではなく、流通過程に小売店が加わるため、4割欲しいと言ってきました。私の回答は、「当社の卸価格は変更しない。小売店が小売店分の利益を上乗せして販売すればよい。」です。小売店の利益を確保するためメーカーに値引きを要求してきたのです。ネット販売が普及し、すでにメーカーと小売店の立場が逆転していることに気づいていないようです。販売量を増やそうと無理に薄利で小売店に卸すより、ネットで自然に売れていく量がその商品の力だと思えば良いのです。
・主導権
ビジネスにおいて主導権を持っているのは源流であるメーカーだと思います。最終製品を製造し、消費者に直接販売できているメーカーは無敵なのです。だから私は最終製品しか手がけないのです。