実施許諾契約の終了日を明確にする

内容証明郵便発送

 

契約終了時の落とし穴。「言った、言わない」を未然に防ぐ、確実な一手間

 

ビジネスにおけるライセンス契約や業務委託契約。その「終わり方」について、あなたはどれほど注意を払っているでしょうか。「契約期間が満了したのだから、自動的に終わりだろう」という安易な考えは、将来、思わぬトラブルの火種となる可能性があります。

 

最も厄介な「口頭更新」という主張

 

契約が終了したはずの相手方から、後日こんなことを言われたらどうしますか?

「いや、あの時に口頭で契約を更新する話をしたはずだ」

こちらにそのつもりが全くなくても、一度こう主張されると、厄介な「言った、言わない」の水掛け論に発展しかねません。こちらの「更新していない」という主張を証明するのは、意外と難しいものです。相手に「契約書を見せろ」というのが一番明確だと思います。

 

未来の紛争を防ぐための、最強の予防策

 

このような面倒な争いを未然に防ぐために、私が徹底している極めてシンプルかつ効果的な方法があります。

それは、契約期間が満了する際に、「契約が確定的に終了したこと」を記した通知書を、必ず「内容証明郵便」で相手方に送付しておくことです。

内容証明郵便は、「いつ、誰が、どのような内容の文書を、誰に差し出したか」を日本郵便が公的に証明してくれるサービスです。これにより、契約終了の意思表示を明確に行ったという動かぬ証拠が手元に残ります。

 

通知書に加えるべき「魔法の一文」

 

そして、その通知書には、契約が期間満了をもって終了する旨を記すとともに、必ず次のような一文を付け加えておくことを強くお勧めします。

「なお、本件契約に関して、書面によらない口頭での合意や更新は、過去にも将来にもわたり一切存在しないことを、念のため申し添えます。」

この一文が、あなたの立場を決定的に守ります。

万が一、相手方が「口頭で更新した」と主張してきたとしても、こちらには「『口頭での契約はない』と明確に通告した」という公的な証拠があります。そうなれば、相手方は有効な書面による更新契約書を提示する以外に、自らの主張を立証する方法がなくなるのです。当然、存在しない契約書を提示することはできません。

ビジネスにおける契約は、始まりだけでなく「終わり方」も同様に重要です。将来のリスクを摘み取り、安心して次のビジネスに進むためにも、契約終了時におけるこの一手間を惜しまないでください。

 

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