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カーブミラー結露予防方法 -5

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まだしつこく書きます。

1.ミラー内部の空気を撹拌することで結露を防げる方法は特許登録できました。

2.鏡面が露点以上になるように間欠運転をして消費電力を下げる方法も特許登録できました。

ここでさらなる省エネ運転法の発明です。といってもたいした発明ではことないんですけど。

下の図が間欠運転をした時の鏡面温度と露点との関係です。

S3(露点)を下回らないようにS2(鏡面温度)を制御している図です。

省エネ運転の方法は下記のようになります。

ファンが動作するON時間は変更できません。

しかし、必要以上の風速があっても無駄です。

そこで、動作中のファンの回転速度を下げる方法を考えました。

ONとOFF期間を可変する制御方法はPWMといいます。

今回、ON期間の中をさらに間欠運転してファンへ供給する電力を節約してみました。

この方式を何と呼ぼうか考えましたが思いつきません。

無理に当てはめるとダブルPWM方式かなと思います。

これでファンをゆっくり動作させることができるようになりました。

実験機は、外部のスイッチで細かなON、OFF期間の比率を調整できるようにしました。

どこまで消費電力を下げても機能上問題ないか限界に挑戦するためです。

これも実験により限界が判明しました。

なぜここまで消費電力にこだわるのかというと消費電力が半分になると太陽電池もバッテリーも半分の大きさになるからです。

下請けを叩いて仕入れるより消費電力を減らす方がいいですよね。

次はさらなる効率アップです。

しつこいですね。(笑)

特願2010-104995

カーブミラー結露予防方法 -4

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前回の特許出願と実験により原理は確立しました。

ミラー内部の空気を撹拌するだけで鏡面温度を露点以上に保つことができました。

次に製品化するためにはコストダウンする必要があります。

こちらが原理の特許を保有していても他社がコストダウンできる方法を開発して特許取得しこちらが、それを使いたいとなればクロスライセンスになりロイヤリティを取れない事になるかも知れません。

そこで最初に手がけるのは消費電力を下げることです。

基本特許は夜間ずーっとファンを動作させています。

そこで必要のないときはファンを停止する方法を考えました。

これは、外気温と鏡面温度を常時測定しておきます。

そして放射冷却が発生したと仮定すると外気温から露点が推測できます。← (ここ大事なところです。推測するんです。これで湿度センサーを省けます。さすが自分)

その温度と鏡面温度を比較しながら結露しそうになった時だけファンを動作させます。

下の図はその制御方法をグラフにしたものです。

鏡面温度が露点を下回らないように制御します。

これが4つめの開発です。

これからさらに消費電力削減方法を開発してきます。

制御方法のみならず構造的にも効率を上げる方法を考えました。

つまらないかも知れませんが勝手に書いていきます。(笑)

特許第4571706号

カーブミラーの結露予防方法 -2

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屋外で気温や湿度を測定していると気が付いたことがあります。

放射冷却が起こると地表付近から冷えていきます。

徐々に上の方の空気が冷えていきます。

確認のため建物の2階から熱電対の温度計を2種類の高さで垂らしてみました。

結果はやはり上の方が温度が高いという値が出ました。

それも高さ1mで1℃くらい温度が違ってきます。

1m上は1℃温度が高い空気があるのです。

そしてその温度分布は等高線のように少し凸凹しています。

このような空気の層ができるのです。

ということは1m上の空気を吸い込めばミラーはその付近にある空気よりも高い温度を保てるということかと思いました。

そこで実験してみました。

それが上の写真です。

左が普通のミラーで右が上から空気を吸い込むパイプを取り付けました。

一応、これで放射冷却を応用した結露と霜の対策はできました。

しかし、空気を吸い込むということは穴が開いているということです。

虫や葉っぱが入って故障するだろうなと思いました。

原理は良いのだけどこの穴が欠点です。

ということでこの方式は断念しました。

しかし、放射冷却というものがだんだん理解できてきました。

特願2000-297710

今日は、ここまでにします。次回をお楽しみに。

結露しないカーブミラー

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今から20年以上前、あるカーブミラーメーカーから霜と結露が無いカーブミラーが作れないかという問題が持ち込まれました。

現在販売されている結露と霜が付きにくいミラーは下記の方式です。

1.蓄熱材を入れて昼の温度を蓄えて夜間結露しないようにする。 → 昼夜の気温が逆転するとそのミラーだけ結露している。

2.ヒーターを入れて電力で加熱する。 → 電源を引く必要がある。

3.光触媒を塗って親水性を高めて濡れても水が粒にならないようにする。 → 気温が氷点下になると霜になり見えない。

という対処療法のミラーしか存在しなかったのです。

そこで電線を引かずに、蓄熱材を入れずに、結露や霜が付かないミラーを発明することになりました。

これが私に出された問題です。今日はここまでにしておきます。

このあと18年も研究することになるとは思いませんでした。