20年前に私が特許出願済み。話題の「振力発電機」が特許を取れない理由

最近、スマートフォン向けの新しい「振動発電機」が話題になっているようですが、そのニュースを見て、私は過去のある特許出願を思い出しました。

実はその技術、私が2005年に特許として出願していたアイデアそのものなのです。 (出願番号:特願2005-117825

下の図がその概要ですが、携帯電話のコネクタに直接差し込み、歩行などの振動で発電して充電するという、まさに同様のコンセプトの製品です。

! (2005年に出願した振動発電充電器の概念図)

なぜ、新しい製品は特許を取れないのか

 

これは何を意味するかというと、その新しい振動発電機は、原則として特許を取得できないということです。

特許制度において、すでにある技術(先行技術)と同一か、または容易に思いつく範囲のものは、新規性や進歩性がないと判断され、権利として認められません。

報道されていた製品の形状を見る限り、私の20年前のアイデアに何か特別な改良が加えられている様子はなく、構造はむしろより単純化されていました。そのため、私の出願が「先行技術」として存在する以上、彼らが今から特許を取ることは極めて困難でしょう。


 

選ぶべきビジネスモデル:「頭脳」か「体力」か

 

この状況は、ビジネスモデルの選択肢を明確に示唆しています。

彼らに残された道は、特許という付加価値なしに、コストだけで勝負することです。リスクがない代わりに、知的財産による高い利益もありません。ひたすら大量に作り、安く売るという、いわば「体力勝負」のビジネスです。

一方、私の戦略は、特許という権利でアイデアを守り、他社が真似できない領域で高い付加価値を得ることです。

どちらの道を選ぶかは人それぞれですが、私はこれからも、汗をかく「体力仕事」ではなく、知恵を絞る「頭脳」で勝負していきたいと考えています。