創造_商標とネット集客

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帝国ニュース北陸版(出典:帝国データバンク発行 帝国ニュース北陸版)

株式会社ソロモン 代表取締役 砂原康治 (商品開発アドバイザー)

 素材を仕入れて加工し、自社製品として販売する場合があります。そのとき商品名を付けます。商品名の付け方には大きく分けて、下図のように3種類あります。例えば、Aの場合は「***段ボール」、「***フィルム」などで、素材名をそのまま表示しているため素材メーカーが分かってしまい、自社から売れなくなります。
 次にBの場合は、造語で商品名を付けたので、他者が同じ名称で販売できないよう商標登録します。「写ルンです」、「ガリガリ君」などはその例と言えます。Cの場合、一般名称を連結して商品名とします。例えば「冷却ペットボトルカバー」、「プロジェクタースクリーン」といった感じで、一般名称を使ったことで誰も商標登録できません。そうなると他者が同じ商品名で販売することが可能になります。商品の知名度が上がると、一般消費者はその名称でネット検索することになりますが、そのとき誰よりも先に作った自社の商品ページが上位で表示されます。販売を独占できるということです。【商品名を知ってもらう】→【検索される】→【売れる】の循環が生まれれば、商標登録の必要はなく検索で販売を独占することになり、目的は達成されます。商標登録にかかる費用も発生せず、0円で商品販売を独占できることになります。商標登録することが目的ではないのです。
 商品名は、このように販売方法も考慮して付ける必要があります。目的は独占販売ですので、造語による商標登録を行うかネット検索との合わせ技で独占するかの2つになります。このように、意図的に商標登録できない一般名称を連結した商品名を付け販売した経験は複数回ありますが、全て成功しました。他社へアドバイスしたテーマも成功しています。素材製造会社に注文は行かず、自社に注文が入るようになります。
 特許や商標など知財を1つのツールと考え、様々なツールを組み合わせて自社独自の作戦を立てる事が普通になってきました。このように他社に負けない力を持つことが必要なのです。国語、算数、理科、社会などのように、各ツールは別々の分野ではないのです。ネットを活用して生きている方は、様々なツールを組み合わせ、独自の作戦を立てて事業を行っています。物を扱う仕事も同様です。知識は多いに越したことはありませんが、それ以上に重要なのは各ツールを組み合わせて作戦を立てる知恵だと思います。
 商品名に一般名称を使う方法に気づいたのは20年ほど前に始めたネットショップがきっかけでした。製品が単純だったため、自社のネットショップに注文が集まる方法を考えていて、できた作戦です。その作戦は成功し、現在でも注文が入ります。素材製造会社に直接注文は行きません。すべて自社製品として販売するということです。

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