出典:帝国データバンク発行 帝国ニュース北陸版 2022年10月21日
株式会社ソロモン 代表取締役 砂原康治 (商品開発アドバイザー)
昨年から5回クラウドファンディングを実施し5回成功しました。その中の1回は3週間で4182人が購入し目標金額の2271%になりました。先日、そのクラウドファンディング会社が主催するイベントが原宿駅の近くで開催され、全国から60社が出店しました。たくさん売れたプロジェクトや大きな金額になったプロジェクトなど、特徴あるプロジェクトが選ばれたようです。私も出展することができました。
なぜネットで生きているのにリアルイベントに参加したのかをお話しします。ネットではBtoCで製品を販売していまが、私は知恵を売る事が仕事なので、付加価値を稼がないといけないのです。自社ブランドなので製品を販売することにも付加価値はあるのですが、利益のほとんどは作業から得られるものとなります。それでは面白くないので、開発した技術に興味を持つ企業を探していたのです。自社だけで製品を販売するよりも、この技術を色々な分野に応用すれば、さらに市場は広がります。そして、特許の使用料を得ることができます。また、作業せずに量産効果をだすことができます。これは大きな付加価値だと思っています。クラウドファンディングで多くの消費者に販売した商品はすでに勝利していますので、その状態で技術に興味を持った企業と接触したいと思っていたのです。消費者にまで商品を届ける能力がある事を証明した後での交渉です。
2日間のイベントで、私一人で来客全員とお話ししましたが、予想が的中し、想定していたメーカーの方と話をすることができました。
ここで、BtoCが成功していなかったらどうなっていたでしょうか。たぶん誰も見向きもしないと思います。他者に技術の価値を理解してもらうには、売上をつくる事が確実です。そのためには、発明家といえども製品の設計、製造、そして販売ができなければいけないのです。これは日本においての話です。目ざとい国へ行けば特許公報を見ただけで価値を理解する人たちもいるかもしれません。しかし、ここは日本なのです。売上の証拠をつくらないと価値が認められないのです。
イベント終了後、石川県に戻ったところ、面識の無い複数の企業から「その特許を借りたい」という連絡がありました。その企業もクラウドファンディングを実施したことがあり、イベント情報を知っていたようです。クラウドファンディングの業界では相当インパクトがあるイベントだったようです。参加して良かったと思います。このように、BtoCができればBtoBのための営業がとても簡単にります。クラウドファンディングで販売する製品は、原価30%以下にする事をお勧めします。20%はクラウドファンディングの手数料なので粗利は50%になります。小売店と直接取引をする場合では、原価30%、卸価格60%とすれば仕入の2倍で販売が可能です。小売店側も40%の粗利が得られ、全て丸く収まります。 BtoCができればBtoBがあとで付いてくる可能性があります。Cまで商品を届けたくてBへ営業に行き話が進まない問題を解決することにもなります。
少し詳しく書いてみました。
BtoCの成功をテコに、BtoBの扉を開く戦略
1. 実績とイベント参加の経緯
昨年からクラウドファンディング(クラファン)に5回挑戦し、そのすべてで目標を達成しました。特にその中の1回は、わずか3週間で4,182人の方にご購入いただき、目標金額の2,271%という大きな成果を上げることができました。
先日、クラファン運営会社が主催するイベントが原宿で開催されました。全国から選抜された60社のみが出店できるイベントで、私のプロジェクトも「多大な支援を集めた注目のプロダクト」として選ばれ、出展の機会をいただきました。
2. なぜ「ネットの住人」がリアルイベントに出たのか?
普段はネット販売(BtoC)を主戦場としている私が、なぜあえてリアルの場に出たのか。 それは、私が「モノを売る」こと以上に「知恵(技術)を売る」ことを仕事にしたいと考えているからです。
自社ブランドで製品を売るのは利益になりますが、その多くは「作業(製造・発送など)」の対価です。しかし、開発した技術そのものには、もっと大きな付加価値があります。
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技術の応用: 自社製品以外にも技術を使えば市場が広がる
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特許収入: ライセンス料として、作業を伴わない収益(不労所得的な価値)が得られる
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量産効果: 大手メーカーが扱えば、自社では不可能な規模で展開できる
この「技術に興味を持つ企業(BtoB)」と出会うために、イベントに参加したのです。
3. 「売れた実績」が最強の交渉カードになる
技術を売り込む際、ただ「良い技術です」と言っても相手には響きません。特に日本においては、「すでにこれだけ売れている」という証拠(売上の事実)がないと、価値を認めてもらえないことが多いのです。
私の戦略はこうです。
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まずクラウドファンディング(BtoC)で圧倒的な実績を作る。
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「消費者に届ける能力」と「市場のニーズ」を証明する。
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その勝利の実績を提げて、メーカーや企業(BtoB)と交渉する。
今回のイベントは、まさにその答え合わせの場でした。
4. 戦略の的中と、その後の展開
イベントの2日間、私は一人で来場者全員とお話しするつもりで接客しました。その甲斐あって、狙っていたメーカーの方と直接繋がることができました。
さらに驚くべきは、イベント終了後に石川県へ戻ってからです。面識のない複数の企業から「その特許を借りたい」という連絡が入りました。彼らもクラファンのインパクトやイベントの情報をキャッチしており、実績を見て連絡をくれたのです。
もしBtoCでの成功がなければ、誰も見向きもしなかったでしょう。「BtoCで実績を作れば、BtoBの営業は驚くほど簡単になる」。これが今回の結論です。
5. 成功を持続させるための「数字のルール」
最後に、これから挑戦する方へのアドバイスです。この戦略を回すためには、製品の原価率は30%以下に抑えることをお勧めします。
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クラウドファンディングの場合: 手数料(約20%)を引いても、粗利50%が残ります。
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小売店卸(BtoB)の場合: 原価30%なら、卸値を60%に設定しても、小売店は40%の粗利を確保でき、Win-Winの関係が作れます。
「C(消費者)に商品を届けたいけれど、B(企業・問屋)への営業がうまくいかない」 そんな悩みを持つ方は、まずBtoCで圧倒的な「売上の証拠」を作ることに注力してみてください。BtoBの道は、あとから自然とついてきます。

