破壊 (経営のジュラシックパーク)

 私は当時創業10年目、30代の経営者でした。常識と協調性はありません。仕事は、近い将来売れる商品やサービスの情報を製造販売する事です。私の近い将来というのは3~7年です。
 会社はメーカーとして立ち上げました。数年前その事業を売却しアイディアの販売に専念する事ができました。その後は、年間数件アイディアや事業を大企業へ販売してきました。そのことでメーカーが行わなければならない発案から特許出願、試作、販売、量産、ユーザーサポートまでをいくつかの業界で経験することができました。

<<物の物理的価値と経済的価値>>
 メーカーと下請けの違いは、一般的に下請けというのは材料費+工賃が売り上げになります。メーカーというのは「ユーザーはいくらならこの商品を買うのか?」から販売価格を決めます。値段は自分で付けるものです。元請けに値段を決められているようでは下請けではなく奴隷です。どちらを選ぶかは株主や経営者の判断です。下請けの売り上げは製品の物理的価値です。メーカーの売り上げは製品の経済的価値です。商品は安いから売れるのではなく欲しいから売れるのです。メーカーとしては原価は安いにこしたことはありませんがコストダウンより優先して利益率が大きく一般大衆が欲しいと思う商品企画が大事です。私が企画した商品は利益率が大きく友人からは詐欺師と言われるのですが、製品を購入したユーザーは満足しています。
 ユーザーが満足してお金を払えば何をしても良いのです。最近開発した商品は原価340円ですが3000円で販売しました。インターネットでよく売れました。この事業はスタートから終了まで3ヶ月でしたが私の投資額が30倍になりました。現在は大手企業が引き継いで営業しています。そのような事を仕事だと思って活動しているのですが、私が住んでいるこの地域は保守的で下請けから抜け出せない企業がたくさんあります。
 仕事というのは注文書が入ってくるのを待つ事だと思っているのではないでしょうか。役人は「物作り物作り」と言って馬鹿の一つ覚えのように補助金を出しています。メーカーになれる人は投資のリスクと成功したときの喜びを天秤にかけて成功したときの喜びや夢が勝った人です。日本以外では投資をして勝って利益を得る事が当たり前です。下請け企業には設備投資という言葉がありますが、あれは投資ではありません。仕事をする道具を買っただけです。

 数年前ある印刷会社を訪問しました。その会社の主力製品は1つの実用新案をもとに製造されていました。実用新案が切れる前に同じ販路で販売できる製品を提案したのですが断られました。事情はいろいろあるようですが予定通り3年後、倒産しました。主力製品の売り上げが落ちたそうです。目に見えないものにお金を払いたくないのでしょう。提案した製品はその後グッドデザインを受賞しました。それがきっかけで、あるコンピューターメーカーへ特許と意匠を販売できました。

 先日、ある商工会に呼ばれて経営者の方々と話をしました。いろいろ聞いてみると「知恵もない、金もない、夢もない」という事でした。もう打つ手がないのです。私は、「一日も早く会社を清算し株主に1円でも多く返した方が良い」と言いました。

<<ジュラシックパーク>>
 そこで私が住むこの地域とその周辺を世界一保守的な地域として世界遺産に登録し欧米から観光客を呼ぶパックツアーを企画してはいかがでしょうか。勝負せずに座して死を待っている会社や座して死を迎えてしまった会社をバスで巡るツアーです。バスガイドが倒産理由などを説明するのです。このツアー儲かるでしょうか。

少し詳しく書いてみました。


なぜあなたの会社は儲からないのか? 下請け思考を破壊する「経営のジュラシックパーク」からの警告

私は30代(1994年)で会社を立ち上げ、この記事を書いている時点で創業10年目を迎えた経営者です。自覚していますが、私に世間一般で言う「常識」や「協調性」はありません。

私の仕事は、3~7年後に売れる商品やサービスの「情報(アイデア)」を製造し、販売することです。

元々はメーカーとして起業しましたが、数年前にその事業を売却。以降はアイデアの販売に専念し、年間数件のペースで事業や特許を大企業へ売却してきました。そのおかげで、発案から特許出願、試作、販売、量産、ユーザーサポートに至るまで、メーカーが行うべき一連のプロセスを複数の業界で深く経験することができました。


 

「メーカー」と「下請け」を分ける、決定的な価値観の違い

 

この経験を通じて、私が確信していることがあります。それは、儲かる「メーカー」と、儲からない「下請け」の思考法は、根本的に異なるということです。

  • 下請けの売上 = 物理的価値(材料費 + 工賃) 価格は元請けに決められます。これはビジネスではなく、私は「奴隷」に近い状態だと考えています。

  • メーカーの売上 = 経済的価値(ユーザーが納得して払う価格) 「この商品に、お客様はいくらまでなら喜んで払うか?」という視点で、価格を自分で決めます。

商品は「安いから」売れるのではありません。「欲しいから」売れるのです。もちろん原価は安い方が良いですが、コストダウンよりも「高い利益率を確保でき、かつ一般大衆が熱狂する商品企画」こそが、メーカーの生命線です。

事実、私が企画したある商品は、原価340円のものを3,000円で販売しました。インターネットで爆発的に売れ、わずか3ヶ月で投資額は30倍になりました。友人からは「詐欺師だ」と冗談を言われますが、購入したユーザーは価格に十分満足しています。この事業は現在、大手企業が引き継いでいます。

ユーザーが満足してお金を払ってくれるのなら、常識外れの価格設定でもそれは立派なビジネスなのです。


 

なぜ、この地域は「下請け思考」から抜け出せないのか

 

しかし、私が住むこの地域には、保守的で「下請け思考」から抜け出せない企業が驚くほど多く存在します。

  • 仕事とは「注文書を待つこと」だと思い込んでいる。

  • 行政は「物作り、物作り」と念仏のように唱え、思考停止で補助金を出すだけ。

  • 「設備投資」という言葉を使うが、それは未来の利益を生む「投資」ではなく、単に仕事をするための「道具」を買っているに過ぎない。

本当のメーカー経営者とは、投資のリスクと、成功した時の夢や喜びを天秤にかけ、後者が勝った人間のことです。

数年前、ある印刷会社を訪問した時のことです。その会社の主力製品は、たった一つの実用新案に依存していました。私は権利が切れる前に、同じ販路で売れる次の商品を提案しましたが、結局断られました。「目に見えないもの(アイデア)にお金を払いたくない」というのが本音だったのでしょう。

予定通り、その会社は3年後に倒産しました。

ちなみに、私が提案した製品はその後グッドデザイン賞を受賞し、ある大手コンピューターメーカーに特許と意匠を売却することができました。


 

結論:経営の「ジュラシックパーク」という警鐘

 

先日、ある商工会で経営者の方々と話す機会がありました。彼らの状況を要約すると「知恵もない、金もない、夢もない」という八方塞がりの状態でした。もう打つ手がないのです。

私は率直にこう言いました。 「議論している時間はありません。一日も早く会社を清算し、株主に1円でも多くお金を返すことが、あなたの最後の誠意ではないですか」と。

そこで、私は皮肉を込めて、この地域のために一つの事業を提案したいと思います。

この地域全体を、変化を拒み絶滅していく企業が集まる「経営のジュラシックパーク」として世界遺産に登録し、欧米から観光客を呼ぶのはどうでしょう。

バスガイドが「こちらの会社は、主力製品の権利切れが原因で倒産しました」などと解説しながら、座して死を待っている会社や、すでに迎えてしまった会社の跡地を巡るツアーです。

このツアー、儲かると思いませんか?