何回も音響透過損失を測定していますが、質量則よりもはるかに性能が良くないと開発した意味がありません。そこで、念のため質量則の計算式を石川県工業試験場の方に教えて頂きました。
測定したパネルの重量(質量)は7kgでした。
計算したところ質量則より実測値が10dBほど良い値が出ていました。これは形状を工夫した価値がありました。何回も測定していて質量則で計算した値に負けていたらただの重い板を置いた方が高性能ということになります。
そうじゃなくてよかった。
これで軽くて遮音性能が良い板を開発したことになります。
これから、実際の防音個室として製品設計を始めます。
このとき測定した吸音パネルの動作原理です。AからDへ順を追って説明します。
A:長さLの筒があります。左端は塞がっており右端が開いています。
B:音は空気の粗密波です。濃いところが筒に入ってきます。そうすると筒の中にある空気が圧縮されます。空気のバネのように圧縮されます。
C:次に、空気の密度の薄いところが入ってきます。そうするとAで押された空気が戻ります。空気のバネが伸びる感じです。
D:また元の状態に戻ります。このあと空気の密度が濃いところがやってきます。
この繰り返しにより空気のバネで音を反射させずに止めることができます。止めるということは遮音していると言うことになります。この筒の構造を紙、プラスチック、金属何でも良いので同じ形状を作ると同じ遮音性能(吸音性能)になるということです。
また、綿やスポンジを使っていないため水に濡れても性能は落ちません。屋外で使用できる吸音、遮音パネルとして使用できるということです。